ARTICLE コラム
30なぜ「医療アートメイク」と呼ばれるの?
アートメイクは、正確には「医療アートメイク」と呼ばれています。
では、なぜ“医療”という言葉が頭につくのでしょうか?
このコラムでは、アートメイクという行為が日本ではどのように扱われているのかを解説します。
アートメイクとは
アートメイクとは、眉や唇などの部位に、医療用の針を使って穴を開け、色素を注入する医療施術です。色素を入れることで、まるでメイクをしたように整えることができます。
色素を注入する部位は、皮膚の中でも比較的浅い所にあたるため、肌の新陳代謝(ターンオーバー)の過程で少しずつ排出され、だんだんと薄くなっていきます。数年で自然に薄くなるため、色味をキープするためには、定期的なメンテナンスが必要になります。
一方、タトゥーや刺青は、皮膚の奥深くにある真皮へ色素をしっかりと定着させるため、一度入れた色やデザインはレーザーなどで消さない限り半永久的に残ります。
日本ではアートメイクは医療行為にあたります
アートメイクは、人の皮膚組織をわざと損傷させる行為であるため、危険を及ぼす可能性があるとして、医師法における「医行為」(医療行為)に該当します。
そのため、アートメイクの表記を単なる「アートメイク」としているところもありますが、正確には「医療アートメイク」と呼ばれます。
例えば、医師免許を有しない者がアートメイクを業(=仕事)として行った場合、医師法違反にあたり、罰せられます。
唯一例外的に、医師の指示のもとで行う看護師や准看護師によるアートメイクの施術は、法律で認められています。
つまり、街中やHPで「アートメイク」と謳っているサロンがあっても、無資格・無許可で行なっている施設もあり、それらは摘発されていないだけで、すべて違法になります。
医療アートメイクを受けるならクリニック(医療機関)で
国民生活センターの窓口には、医師免許を有しない(医療機関ではない)サロンやエステが行うアートメイクのトラブルの相談が後を絶ちません。実際にあった事例を紹介します。
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広告を見て、エステサロン(無資格)でアイラインのアートメイクを受けた相談者。施術中に痛みを感じ、その旨を伝えるも施術は続いたそうです。術後は軟膏のようなものを塗られ、その後に視野に曇りがあることに気づき、それを伝えました。しかし、術後に塗った軟膏のせいと言いくるめられてしまいます。痛みと涙が止まらず、たまりかねて眼科に行くと角膜に傷がついていることが発覚したそうです。
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広告を見て、エステサロン(無資格)でアイラインのアートメイクを受けた相談者。施術中に痛みを感じ、その旨を伝えるも施術は続いたそうです。術後は軟膏のようなものを塗られ、その後に視野に曇りがあることに気づき、それを伝えました。
しかし、術後に塗った軟膏のせいと言いくるめられてしまいます。痛みと涙が止まらず、たまりかねて眼科に行くと角膜に傷がついていることが発覚したそうです。
このように、法律を無視して無資格・無許可の営業を続けるアートメイクスタジオ、エステサロン、美容院は今でも全国各地に存在します。
実際にトラブルが起きても、適切な処置をされず、上記の事例のように泣き寝入りになってしまうケースもあるようです。
クリニック(医療機関)で受ける医療アートメイクであれば、万が一トラブルがあったとしても、適切な治療が受けられます。
まとめ
アートメイクを受けると決めたら、どこで施術を受けるかを事前によく考え、しっかりとリサーチすることが大切です。
「そこは医療機関なのか?」「誰がアートメイクをするのか?」は、事前に必ず確認しましょう。
価格が少し高くても、法律上のルールに則り、安全に配慮して施術を行うクリニック(医療機関)を選ぶようにしてください。