ARTICLE コラム
59やってはいけないセルフアートメイク
年齢を選ばず、落ちにくいメイクが楽しめるアートメイク。最近ではアートメイクの認知度が高まると同時に、アートメイクに興味を持つ方が急増しています。
この人気とともに登場したのがセルフアートメイクです。自宅でアートメイクができるキットも販売されているため「こちらの方が安価でできる」「手軽にアートメイクが楽しめそう」と思う方もいるかもしれません。
しかし、セルフアートメイクには危険がたくさんあります。今回はセルフアートメイクのリスクと、なぜおすすめしないのか、その理由を解説します。
セルフアートメイクとは?
セルフアートメイクは誰でもできる?
セルフアートメイクとは、本来クリニックで行うアートメイクを、専用の機器やキットなどを使って自宅で行うことです。
そもそもアートメイクは医師免許、看護師資格などが必要な医療行為。セルフアートメイクを行う方はほとんどが無免許であると予想され、用意するキットなども通信販売で購入したものを使用するケースがほとんどです。
専用機器やキットなどが入手できれば誰でもできますが、医療行為を「自分自身で」「資格のない方」がやると考えれば、リスクが必ず伴うことは予想できますよね。
なぜセルフアートメイクをするの?
主な理由は料金と時間です。
セルフアートメイクのキットは安く、クリニックに行って施術を受けるよりもコストを抑えてアートメイクができます。
また、自宅で行うため、自分の好きなタイミングでできて、来院や予約の手間も必要ありません。
セルフアートメイクは一見メリットが大きいように思えますが、考えておきたいのは、なぜクリニックだと料金が高くなり医療施設で行うことが決められているのか、という点です。
セルフアートメイクをやってはいけない理由
セルフアートメイクをやってはいけない理由は大きく分けて5つあります。
ひとつずつ見ていきましょう。
①デザインを失敗する可能性がある
アートメイクは簡単には落とせないメイクなので、デザインや色素の色などしっかり事前に検討して行う必要があります。
ですが、どんなにメイクが上手な方でもセルフではデザインに限界があります。客観的に見られないため、眉なら左右で差が出たり、色ムラが出たり、色素の組み合わせによって想像通りの色にならない可能性も高いと言えるでしょう。
②感染症、アレルギーのリスクがある
クリニックではアートメイクで使用する針や機器は消毒し、使うごとに入れ替えるなど衛生管理が徹底しています。その点、個人では消毒が不十分である可能性があり、セルフ施術によって感染症を引き起こしたり、色素に含まれる金属でアレルギーが起きたりする可能性もあります。
キットに付属している色素は、安全性が確保されていないため、色素に含まれる金属が原因でMRI検査が受けられないこともあります。
また、痛みや感染症などの症状が出ても、適切な処置がすぐにはできません。
③うまく刺せずに出血する可能性もある
アートメイクでは皮膚のごく浅いところに穴をあけますが、深く刺すと色素が入り込みすぎてしまい、タトゥーのように一生消えないといった失敗も起こります。また、血管に当たると内出血してしまい、ケガの跡がずっと残る瘢痕(はんこん)や、ケロイドのリスクも否めません。
アートメイクの施術はとても繊細で、アートメイクアーティスト(看護師)でも経験を重ねて使いこなす必要があります。不慣れな方がセルフアートメイクすると、失敗する可能性は高いと言えます。
④失明のリスクもある
どのアートメイクでも言えることですが、特にアイラインアートメイクは眼球近くの皮膚に施すもの。針の扱い方は決して簡単ではなく、手元がぶれると眼球を傷つけて失明する可能性もあるのです。
⑤失敗しても簡単には戻せない
アートメイクは確かにタトゥーと違って一生残るわけではありません。しかし、一度行うと数カ月〜数年は残るため「失敗したからやり直し」と気軽に直せるものではないことを知っておきましょう。
セルフで安く済ませたつもりでも、失敗したからレーザー治療で修正する必要があれば、かえって高くついてしまいます。
アートメイクは医療機関で受けましょう
アートメイクは医療行為であり、施術するためには資格が必要です。高い技術と経験がある施術者が、十分に設備の整った医療施設で行って初めてアートメイクのメリットが得られます。
セルフアートメイクは例えキットや機器が売られているからといって、安易に試すのは危険です。アートメイクは必ずクリニックで受けましょう。