ARTICLE コラム

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アートメイクで使われる色素について

アートメイクは水や汗に強く、取れにくいのが特徴です。その理由は、色素は皮膚のごく浅い層に定着しているから。皮膚に針で穴を開けて色素を入れるため、アートメイクは医療行為にあたります。

医師免許あるいは看護師免許などの資格を持った人間が施術を行うとはいえ「色素を肌に入れて安全なのかな?」と不安に思う方も多いですよね。

そこで今回はアートメイクに用いられる色素について詳しく解説します。

アートメイクとは

アートメイクは、別名「取れにくいメイク」とも呼ばれています。原理としては肌の表皮(浅い層)に専用の医療機器や医療用針を使って穴をあけ、色素を注入するものです。穴といってもごく小さなもので、痛みを抑えるための工夫もなされています。


アートメイクは主に眉・アイライン・リップラインに用いられており、それぞれ色素を入れることで「まるでメイクしたようなアート」が再現できます。通常のお化粧と違って水や汗に強く、またアートメイクアーティスト(看護師)によって施術されるため「プロのメイク」が持続できることがメリットです。


ただ、アートメイクは刺青(タトゥー)と違って永久的に残るわけではありません。皮膚のターンオーバーにより注入された色素は次第に排出されて、日が経つごとに薄くなります。



使用される色素について

医療行為だとしても、「体の中に色素を注入して大丈夫?」と心配する方もいるかもしれません。そこで、ここからは使用される色素について詳しく解説していきましょう。


◆欧米で開発されたものが主流

ほとんどのクリニックでは、欧米諸外国で開発された色素が用いられています。海外製の色素は決して高くなく、また個人で輸入することも可能です。米国のFDA(日本の厚生労働省にあたる公的な機関)から認可が下りているものは、危険性は低いと考えられます。


しかし「絶対に安全であるか」と言われると少々疑問が残ります。日本国内ではアートメイクは医療行為とされていますが、海外では医療行為ではありません。色素のメーカー成分開示義務もないため、絶対に安全とは言い切れません。


◆国産色素を開発するクリニックも

そこで、クリニックが開発した国産色素を使用する医療機関もあります。海外製の色素は規制が緩く安全性には不安が残ることと、医療行為として使用する限りクリニック側に「医療行為に相当する安全性」がゆだねられているからです。


こうした動きはアートメイクの協会にも広がり、現在、国産の色素の開発が行われています。



色素の安全性について

体に入れるものだからこそ、色素の安全性は確認しておきたい点です。ここでは安全性についてまとめました。


◆色素に含まれる金属でアレルギー反応が出ることも

アートメイクに用いられる色素で、最も気を付けるべきポイントは「アレルギー反応が出るかどうか」です。まれに色素に含まれる金属が、アレルギーの原因になることもあります。


以前より金属アレルギーが分かっている方や、アレルギーの心配がある方は事前に皮膚科などでパッチテストを受けるようにしましょう。クリニックによってはパッチテストを受けられることもあるため、不安を持っている方は相談してみることをおすすめします。


◆MRI検査は受けられる?

アートメイクをしていると、MRI検査のときに発熱するケースがまれにあります。特に輪を描くようなアートメイクではヤケドが生じやすいと言われているようです。


特にアイラインのアートメイクは円形状になっていますよね。そのため、検査を受ける際には目を閉じて一直線状にするとよいとされています。


検査中に熱さを感じたら、冷やしたり、一度中断したりといった工夫が必要です。


◆いざというときは診察や薬の処方も受けられる

繰り返しになりますがアートメイクは医療行為なので、施術後に何かあれば処方薬が使用できます。ヤケドやアレルギー発症のリスクはありますが、いざという時に診察や薬の処方が受けられるという点は安心できますね。


◆今後のアートメイクの色素について

上記でも少し触れましたが、現在、国産色素の開発が進んでいます。医療アートメイク学会では、原材料や成分濃度を完全開示した標準的な色素の開発に取りかかっています。海外製の色素と異なり「何が入っているか」が明記されているため、より安心して施術を受けることができるでしょう。


将来的には、簡単に消せる色素の開発も考えられているため、今後もアートメイクはより身近な存在になりそうです。



まとめ

色素を肌に注入することから、医療行為だとしてもアートメイクは不安と思う方もいるでしょう。今回ご紹介したように、現状やけどのリスクは低いと言えそうです。



今後も開発が進むにつれ、アートメイクは進化します。より自分らしいアートメイクを見つけて、おしゃれを楽しんでみませんか?



この記事を書いた人
アメディア編集部
アメディア編集部 AMEDIAR EDITORIAL Dep.
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