ARTICLE コラム

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病気をケアするアートメイクとは

美容やトレンドに敏感な男女を中心に人気を集めているアートメイク。
美容目的以外にも、医療目的でも活用が進んでいるのをご存知でしょうか?
このコラムでは、病気をケアするアートメイクがどのような使われ方をしているのか、またどのクリニックで受けられるのかなど様々な事例をお伝えします。

医療補助技術としてのアートメイク

アートメイクは針で皮膚に穴を開け、色素を入れる技術。美容の技術として認知されていますが、実は医療の分野でも活用されています。


具体的には、皮膚の白斑(皮膚の色素が白く抜ける疾患)の治療、ケガなどにより眉や頭皮に毛が生えてこなくなる傷跡のカムフラージュ、乳がんの手術後に失われた乳輪乳頭の再建などの際に施されています。


このような医療補助技術としてのアートメイクをパラメディカルピグメンテーションと呼ぶクリニックもあります。パラメディカルには「(=医療補助目的の)」ピグメンテーションには「(=皮膚に色をつける)」という意味があります。


医療補助アートメイクの事例 

医療補助アートメイクの事例を解説します。


◆白斑治療

白斑とは皮膚の一部の色素が抜けて白くなり、斑点状に見える症状を指します。


こういった場合にアートメイクの技術を応用して、色素が抜けてしまった部位に、周辺の皮膚の色に近い色を入れて白斑を目立たなくさせることができます。


◆乳がんの手術後の乳輪乳頭の再建

乳がんの手術で乳房を全摘する際に、切開する場所によっては、乳輪乳頭が切除される場合もあります。片方だけ乳首がないことで落ちこんだり、温泉やスポーツジムのお風呂などを気軽に楽しめなくなるというケースも。


乳首があった部位に、アートメイクを施すことで、まるで乳輪乳頭があるかのような見た目になります。色は限りなく自然なので、自信を取り戻すきっかけになるのではないでしょうか。


◆抜けた髪や眉の再建

抗がん剤治療で抜けた髪や眉は、治療が終われば自然に生えてくると言われていますが、再発などで長期に渡り治療を受けている方もいらっしゃいます。もともと生えていたものがなくなるというのは、やはり辛いものですよね。


アートメイクの技術を用いることで、見た目には髪や眉があるように整います。


◆薄毛の治療

病気ではありませんが、近年女性の薄毛が増加しています。


特に女性に多いのが「びまん性脱毛症」で、これは部分的ではなく頭髪全体が薄くなるのが特徴です。年々髪の分け目が目立ってきている…と感じる方は、この脱毛症かもしれません。


アートメイクの技術で、薄くなった部分にまるで髪の毛が映えているように色素を入れて「毛量を足す」ことが可能です。



医療補助アートメイクが受けられるクリニック

全国の医療補助アートメイクが受けられるクリニックをご紹介します。

※いずれも2021年2月現在の情報です。


◆バイオタッチメディカルクリニック(東京・品川)

https://biotouch.jp/paramedical/


◆渋谷の森クリニック(東京・渋谷)

https://shibuyamori.com/treatment/artmake/paramedical-tattoo/


◆ヴェリテクリニック(愛知・名古屋院)

https://www.veriteclinic.or.jp/nagoya/nagoya_original/artmake.html


◆女性医療クリニック LUNA心斎橋(大阪・心斎橋)

https://luna-clinic.jp/shinsaibashi/artmake/


◆ハニークリニック(熊本)

https://www.sc-kumamoto.cc/treatment/art_make.php



まとめ

病気やケガなどにより低下した患者さんのQOL(=生活の質)を高める代替医療としても施されるアートメイク。


現在はどれも健康保険の適用外(自由診療)となっており、受けたいと思っていても金銭的な負担が大きいのが気になります。


将来的に医療補助アートメイクが保険適応になり、誰もが受けるか受けないかを選択できるようになると良いですね。



この記事を書いた人
アメディア編集部
アメディア編集部 AMEDIAR EDITORIAL Dep.
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