INTERVIEW インタビュー

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「アートメイクゼミ」Yamadaさんインタビュー

「アートメイクゼミ」Yamadaさんインタビュー

マスターランクのアートメイクアーティストであり、医療アートメイククリニック「アートメイクギャラリー」の代表を務めるYamadaさん。今回新たにアートメイク専門スクール「アートメイクゼミ」を立ち上げて、講師を務めています。

インタビューでは「アートメイクゼミ」の特徴や他のスクールとの違いなど、詳しくお話を伺いました。

 

 

ー なぜアートメイクスクールを開校されようと思ったのでしょうか?

 

ちょうど5年程前に、私自身がアートメイクを学びたいと思い日本でスクールを探したのですが、当時は数が少なすぎて自分に合ったスクールを全く選べない状況でした。その時から、将来はもう少しスクールが増えた方がいいなと自分の中で課題にしていました。


実際に施術者となり「アートメイクギャラリー」を立ち上げて、マスターとしてやりたかったこと、技術者に伝えたかったことなどがあり、2020年7月に「アートメイクゼミ」を開校しました。

 

— スクールでは、どういったことを目標にしていますか?

 

実は遠方でアートメイクを学びたいという方は多く、北海道から沖縄までの方々から連絡をいただきます。地方在住の方は、仕事の休みを取らないと学ぶために東京に来られないし、今はコロナの状況もあってさらに上京するのが難しくなっています。そのため「アートメイクゼミ」では、オンラインに特化して遠隔で指導ができる、時代にあったスクールを目指しています。


遠方で学ばれている方々は、実際に「アートメイクギャラリー」に通えないため、卒業後は地元のクリニックで就職されている方が多いです。

 

またアートメイクは、授業を受けたからといって簡単に取得できる技術ではありません。


そこでもう一つ課題にしているのが、成果にしっかりコミットするような育て方や、ちゃんと結果を出せる教育の方法です。


実際にアートメイクギャラリーに入社する看護師やスタッフは、ほとんどゼロから育てています。私自身もアートメイクを始めてもう5年になりますが、当初は施術者が少なく、疑問に答えてもらったり、簡単にアドバイスをくれたりする人もいなかったため、実際に悩みながら学んだところがすごく多かったのです。その知識にプラスして、アートメイクギャラリーで実際に何人かのアーティストを輩出したノウハウが自分の中であるため、それらをうまく活用して授業を行っています。



アートメイクゼミのポイント

①オンラインで全国どこでも受講可能

(1)オンライン講習で、全国どこでも受講できるプログラムを提供

(2)遠隔操作でのモニター実習も可能

 

②現役アーティストによる指導

(1)アートメイクギャラリーの現役アーティストが講習を企画・運営

(2)新人ナースでも彫れるようにと工夫した社内講習がベース

 

③世界の技術・トレンドを日本へ

(1)世界のトップアーティストから学んだ技術を独自にアレンジ

(2)常に進化する技術とトレンドをいち早く学べる

 

④多くの部位・様々な客層に対応

(1)眉やアイラインだけでなく、頭皮(SMP)、乳頭形成など医療サポートアートメイクも学べる

(2)男性、シニア、外国人などの肌質やデザインニーズなども学べる

 

— 現役アーティストが教えることに、こだわった理由を教えてください。

 

実際に現場に立って施術をすると、皆さん実際にどこで壁にあたるのか、どこで悩むのかということが結構似ているんですね。


ですので、教える際にも施術者目線に下がって指導するというのが、一番上達への近道になると思っています。

  

— では世界の技術やトレンドを取り入れて日本で進化させるという部分を、詳しくお聞かせください。

 

欧州は「Phibrows(フィブロウ)」というヨーロッパ発祥の技術がすごく有名です。毛並みと言ったらPhibrowsという感じで、眉毛のストロークや毛並みのアートメイクを先駆けしてつくったブランドになります。


世界各国でPhibrows出身のアーティストが大勢いて、日本でもサティフィケイト(修了証書)を取っている方が何人かいます。おそらくアーティストの中には、ここのブランドを見て勉強をされている方もいるかと思います。


その技術を日本に持ってくるわけですが、やはり海外の方と日本人は、骨格や顔の彫りの深さの違いがあるため、「アートメイクギャラリー」では私のフィルターを通して、海外のトレンドを日本人向けに提供していこうと努力しています。

 

パウダー技術に関しても国やアーティストによって仕上がりが違うため、習いたいと思った方の下で学ぶことが多いです。


海外のパウダーは濃くしっかりと入れるところが多いのですが、どちらかというと日本人はナチュラルに入れてほしいという要望が多いため、学んだ沢山の技術を私のフィルターを通して日本人向けにして、提供するようにしています。

 

— 素朴な疑問なのですが、欧米の方は眉毛も金髪な方が多いと思いますが、そういった方は眉毛に近い色を入れるのでしょうか?

 

インクのカラーはすごく沢山あって、さらにそこからブレンドしますので、何百パターンの色が再現できます。


毛並みが明るい方には明るめの茶色、ブラウンや、そこに赤とか黄色をミックスしたりすることもありますし、オレンジを混ぜたりすることもあるので、本当に毛並みに合わせてブレンドして作っています。

 

— ありがとうございます。では、医療サポートアートメイク(パラメディカル)もスクールのカリキュラムに入れた理由を教えてください。

 

今はまだ「アートメイクゼミ」にはパラメディカルメニューは入ってない※のですが、乳がんのオペでニップル(乳首)に傷がついてしまったり、すべて摘出しないといけなくなった際に、海外ではニップルをアートメイクで再現することが主流ですが、日本ではまだその技術が浸透しておらず、医療従事者として今後強く発信していけたらと思っています。

また、傷跡隠しのアートメイクもあるので、コンプレックスに対してアプローチできたらとも思っています。


眉毛に関しても、抗がん剤治療を受けている方や、無毛症・脱毛症などの病気で眉毛がないと悩んでいる方も多くいらっしゃるので、そういう方に対してコンプレックスを少しでも解消できるような取り組みをしていきたいなと思っています。


※2021年6月現在。今後、導入の予定です。


 

— ヘアラインという技術があるかと思うのですが、これは美容と治療の両方にまたがる技術でしょうか?

 

美容目的で小顔にする、フェイスラインを丸くする、という入れ方は20代、30代の方のニーズが多く、逆に40代以降の方は髪の透け感が気になるので入れたたいという方が多いです。


男性の薄毛に施すSMP(スカルプマイクロピグメンテーション)という技術は、女性にも使えます。ストロークや毛根を再現するドットの技術がありますので、お客様に合わせてチョイスするようにしています。

 

— では、次にカリキュラムとコースについて特徴を教えてください。

 

「アーティストデビューコース」に関しては、今一番需要のある眉ストローク技術が未経験の方向けのコースになっていまして、アートメイクをはじめたいけれど、実際に自分にセンスがあるのか悩んでいる方がお試しで受けていただくことも多く、気軽に始めていただくことができます。


「アドバンスコース」は未経験者~経験者向けで、よりスキルアップしたい方や複数部位を履修したい方向けのコースです。眉ストローク、パウダー眉、アイライン上下が主な講習メニューになりますが、そこに今度リップが新しく加わります。


この2つのコースが、アーティストを目指す方のコースになります。

 

アートメイクアーティストを育てるのには、すごく時間がかかるため、これらのコースを終えたからすぐアーティストになれるというわけではありませんが、知識と技術がある程度身について、実際にアートメイクを施術できる準備段階に行けると思います。

 

— どのような人材を育てたいと思っていらっしゃいますか?

 

「アートメイクギャラリー」では、基本的にご自身の個性を伸ばしてのびのびと働いてほしいという気持ちがあるので、「アートメイクゼミ」でも学ぶ人は個性をどんどん伸ばして自分を表現することが上手くなってほしいと思っています。

あとは即戦力になるような生徒さんを育てていきたいですね。

 

— 卒業後の支援やアフターフォローについてお聞かせください。

 

去年の7月に開校したので、今は実際に就職先の支援はできてない状況にあるのですが、クリニックからの人材の問い合わせがすごく多いため、今後はフランチャイズ展開などで全国に就職先をつくるという動きをしています。

 

— ありがとうございました。

 

 

ご自身が立ち上げた「アートメイクギャラリー」でマスターアーティストとして施術を行う傍ら、次世代のアーティストを育てる新たなスクール事業にも乗り出したYamadaさん。エネルギッシュな活動と、周囲の人に対する繊細な気配りを持ち合わせた、アートメイク界の開拓者でいらっしゃいました。

 

 

スクール情報

 

アートメイク専門スクール「アートメイクゼミ」

https://aas-jpn.com

 

オンライン講習によるアートメイクスクール。現役アーティストによる、最新技術やデザインが学べる。

コースは、「アーティストデビューコース(ストローク未経験者向け)」「アドバンスコース(未経験者〜経験者向け)」「アライアンス(クリニック経営者向け)」の3種類。

授業〜実習まで全てオンラインで完了するが、モニター実習は実際の対面施術も選べる。